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`住み継ぐ‘の反対は?

ネットの建築の記事を読んでいたら
こんな言葉を見つけました。

‘住み潰す‘

靴は、履きつぶすなんていいますよね。

でも、住宅でこんな言葉を使うことがあるなんて
びっくり、悲しくなりました。
一部の、質の悪いローコスト住宅の住み方を言うらしいですが、
とりあえず、ローンを払ってる20年間
住めればいい、という意味らしいです。

でも実際は、20代で建てれば平均寿命まで60年以上あるわけですし、
できれば子供に住み継がせたい・売却もあるかも・・と思うと、
もっと長いサイクルで考えなければなりません。

私たち設計者が設計する家は、

‘住み継いで、何代も持つ資産‘

になるよう、考えます。

20~30年で、償却する、 ‘商品‘ とは考えません。

実際、クライアントさんから、
自分の後は、「○○が住むから」、「△△に使い方を変える」、と伺うこともあります。
そうすると、現時点の希望だけでなく、その先のことまで、
十分考えなければなりません。


そのために気を付けるのは、

* できるだけ劣化ではなく,経年変化する自然素材を使うこと
* 設備を更新しやすくすること 点検しやすくすること
* だれでも住みやすいプランであること
* 環境を読んだ、地域に合ったプランであること
* 構造を丈夫につくること
* あまり特殊な方法で建てず、誰でもリフォームできること
* 一時の流行を追わず、素材感を生かしてシンプルに作ること。

そして、もっとも大事だと思うのが、

* 住み手が、愛着を持って、メンテナンスし続けられる、丁寧な家づくりをすること

どんなに気を配って作っても、メンテナンスをしていただかなければ、
寿命は短くなりますから・。

これはもう、
作り手が(設計者・工務店・職人)どれだけ
その一軒に、愛情と手間を注げたか、

に尽きますね。
愛情のバトンタッチです。

100円ショップも便利ですが、
壊れたら買いなおせばいいか、と
大事にしにくいですよね。
その点、顔が見える作り手の、一点物は
大事に扱います。

時間と手間と知恵を絞った分、高くなりますが、
予算が。。、という方には、
「小さく、質を高くつくる」、という方法もあります。


資源も少なくなってきてる今、
「小さく・丁寧に・ずっと・・」という考え方が、
もっと広まっていくといいなあと思います。


「住み潰す」

こんな言葉を聞かない住宅業界になるといいな。


************

色んな種類の現場を渡り歩いてる腕のいい大工さんが、
私の現場を担当して、ある納得した部分があったようで、

「これなら、もちますよね。他のつくり方は、
 将来どうなるんだろうって、正直思いますよ。」

と、おっしゃっていたのが、
印象的でしたが、
そもそも‘将来‘を考えてないビルダーさんがいるのですね。

************

*  伊藤裕子設計室 ホームページはこちら

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